(13) 方眼紙にローレンツ変換の図を作成してみよう

  考えやすくするため、 空間が1次元の、 2次元時空間を考えます。
  ある時空点を位置ベクトル で表すことにします。 のローレンツ変換前の直交座標系での座標を とし、 のローレンツ変換後の斜交座標系での座標を とします。
  の客観的な大きさを とし、 のローレンツ変換前の直交座標系における大きさを とし、 のローレンツ変換後の斜交座標系における大きさを とします。
はローレンツ変換にて不変で、 次の式が成り立ちます。

    
また、 ローレンツ変換ですので、 次の式が成り立っています。
    


  次に、 物質の移動についてのローレンツ変換を考えましょう。
  自転しながら速さ で等速直線運動 ( 静止を含む ) をしている物質が、 1自転したときの時空間移動を、 時空原点を起点とする位置ベクトル で表すことにします。 のローレンツ変換前の直交座標系における座標を とし、 のローレンツ変換後の斜交座標系における座標を とします。
すると、 次の式たちが成り立ちます。
    
       ( 固有時間不変の法則より )


  方眼紙を用いたローレンツ変換の作図方法は、 以下の手順です。 ローレンツ変換は固有時間 ( )が命ですから、 を用いて座標値を表します。

 直交座標系で、 位置ベクトル を描きます。
         * 最初にこうするのは、 「 第0観察者の物質についての当事者的な主観的
          観察 」 を意識化するためです。

 次に、 この位置ベクトル 倍 した写像を描きます。
  すると、 この位置ベクトルは になります。
          *  は、 ローレンツ変換では変換後の斜交座標系の基底が変換
            前の直交座標系の基底の 倍になっていることに由来します。


 その次に、 その位置ベクトル を時計回りに 回転させた写像 を描きます。 コンパスが必要です。
  すると、 この位置ベクトルは になります。

 この位置ベクトル が、 第1観察者 { 第1観察者 は 第0観察者 ( 第0観察者は物質に対して静止しています。) に対して速さ で移動しています。} の観察する、 物質が1自転したときの時空間移動になります。 この位置ベクトル について、 第1観察者の座標系 から 第1観察者が観察する第0観察者の座標系 へのローレンツ変換をします。 第1観察者が観察する第0観察者の座標系は斜交座標系です。 その中身は、 第1観察者が観察する、 物質の立場に立った、 物質の時空間移動と活動になっています。
   ローレンツ変換前 ( 直交座標系表示 ) : 
   ローレンツ変換後 ( 斜交座標系表示 ) : 

    です。
    です。


  ローレンツ変換前の第1観察者の第3者的なニュートン力学的観察による物質の自転スピードは であり、 ローレンツ変換後の第1観察者の物質の立場に立った相対論的観察による物質の自転スピード に比べて 倍 遅くなっています。 もちろんニュートン力学的観察は正しくありません。 しかし、 ニュートン力学的観察 と 相対論的観察 とを比べて、 「 移動している物質の活動スピードは、 移動していないときに比べて遅くなっている。」 と定説は結論づけます。

  ローレンツ変換後の第1観察者の物質の立場に立った相対論的観察 ( 第1観察者の物質についての当事者的な客観的観察 ) に対応する 第0観察者の物質の立場に立った相対論的観察 ( 第0観察者の物質についての当事者的な主観的観察 ) では、 この物質の位置ベクトルは、 直交座標系 と表されます。
ではありません。
  第0観察者の相対論的観察による物質の自転スピードは です。 第1観察者の相対論的観察から、 第0観察者の相対論的観察に変更しても、 物質の自転スピードは不変です。 この、 第1観察者の相対論的観察から、 第0観察者の相対論的観察へ変更 ( 写像でも座標変換でもない変換 ) こそ、 相対性理論がまとめるべき結論であると考えます。
  相対性理論において、 時間の長さを比較すべき対象は、 ローレンツ変換の前後ではなくて、 斜交座標系における位置ベクトル と 直交座標系における位置ベクトル であると、 考えます。 相対論的な座標変換は、 斜交座標系における位置ベクトル から 直交座標系における位置ベクトル への時間の不変を内包するような座標変換であるべきだと、 考えます。




次のページへ進む    論文の最初へ戻る    前のページへ戻る