第8章  重力赤方偏移は「重力場による時間経過遅延作用」のせい?


 「 重力赤方偏移 」という現象は、 力学的エネルギー保存法則から導かれるのですが、 一方、 光が放出された空点の時間の経過が遅いことに起因するとも、 考えられています。 その理由は、 次のようなものです。
「 重力場の存在する空間では時間はゆっくりと経過する。 観察者よりも重力ポテンシャルの大きな空点に存在する、 または、 観察者よりも一様な重力場の下流に存在する、 観察者に対して静止している光源が、 光源の空点時間 に放つ光の波のを、 観察者は観察者の空点時間 に受けとめる。 であるから、 観察者にとっては、 光は振動数が 倍と少なくなり、 波長が伸びる。」

  大きさが の一様な重力場が存在する空間で、 重力場と反対方向に、 角運動量 の光が の空間を伝わりました。
光も物質に準じた「 力学的エネルギー保存の法則 」に従います。
つまり、 運動エネルギーの減少量 = 位置的エネルギーの増加量 となります。
質量 の物質が、 大きさ の一様な重力場を上流へ 移動したときの位置的エネルギーの増加量は、(式0705)で与えられました。 この を代入すると、 角運動量 の光が、 大きさ の一様な重力場を上流へ 伝わったときの位置的エネルギーの増加量になります。 それは です。
したがって、 相対論的運動エネルギーは以下のように減少します。
     
ということは、 光の角振動数も(式0801)のようになります。

(式0801)は、(式0707):  によく似ています。

そこで、 次のように考えます。
(式0707)より、  である。
(式0801)より、  である。
したがって、  である。
 、 つまり、 より、
     
            *  は、 重力場の下流から伝わってきた光の波長を
              あると観察する観察者の空点時間です。  です。

  したがって、「 一様な重力場の下流空点の空点時間 」の「 一様な重力場の上流空点の空点時間 」に対する比率は、「 一様な重力場の下流空点で光源の放つ実際の光の波長 」の「 一様な重力場の上流空点で観察される光の波長 」に対する比率に等しいことがわかります。
  一様な重力場の上流空間では、 下流空間に比べて空点時間が長くなっています。 空点時間が長くなるということは、 その空点での時間の経過が相対的に速くなるということです。 また、 一様な重力場の下流空点から上流空点に伝わってきた光は、 波長が長くなっています。


  ここで、「 因果関係 」について 論理的考察 をします。
「 彼は、 お店で、 千円の品物を買いました。」すると、「 お店から出た後の彼の財布の中は、 お店に入る前に比べて、 千円少ない。」ということになります。
その理由は、「 彼は、 千円 と 品物 とを交換したから。」です。「 彼は、 お店に入ったから。」ではありません。 なぜなら、 お店に入ったとしても、 買い物をしなければ千円少なくなることはないからです。
  もしかしたら、「 重力赤方偏移 」が「 重力場による時間経過遅延作用 」の生き証人だと言われるのは、 こういったたぐいのことではないかな? と、 只今、 私は考え中です。


  次に、 ばいおりん の 慣性系相対性理論 「 時 」について 哲学的考察 をします。 私は以下のように考えています。

@ 時の長さは人間が決める。

A 時の長さは、 光の速さが決めるのではない。 時の長さが決まれば、 光の速さが空間の長さを決めてくれる。

B 原子時計が遅れるときに、 その原子時計の傍に存在して、 原子時計に対して静止している物質の 移動 や 活動 や 生理学的・化学的反応 も遅れるのであれば、「 原子時計が遅れている。」とは言わずに、「 その座標系のその空間の時間の経過が遅れている。」と言わなければならない。

( 続く )




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