(1) 曲線座標系における微小変位ベクトル
次のような3つの座標系があります。
直線座標系 :

曲線座標系 ( その1 ) :

曲線座標系 ( その2 ) :

点
における、 曲線座標系 ( その1 ) の局所的な自然基底
から、 曲線座標系 ( その2 ) の局所的な自然基底
への基底変換は、 次のように表されます。


点
から、 曲線座標系 ( その1 ) における、 ある曲線に沿っての微小変位ベクトルを
とすると、 その微小変位ベクトルは、 曲線座標系 ( その2 ) では次のように表されることが知られています。

したがって、 微小変位ベクトルの座標変換式は、 次のようになります。

これを、 成分表示で表すと次のようになります。

これは、 次の反変ベクトル表示の座標変換式に似ています。

したがって、 微小変位ベクトル
は反変ベクトル表示です。 したがって、 微小変位ベクトルの座標変換式は次のように表されます。
または、

この式は、 最初に 「 知られています 」 といって提示した式たちと同じです。
(2) スカラー場の微分
次のようなスカラー場が存在しているとします。
スカラー場 : 
スカラー場
の、 曲線座標系 ( その1 ) における勾配 :

スカラー場
の、 曲線座標系 ( その2 ) における勾配 :

さて、 ここで次の3つの式たちが成り立ちます。



したがって、 次の式が成り立ちます。

この式は、 次のように書くことができます。

また、 成分表示を用いると、 次のようにも表されます。

これらは、 スカラー場
の、 曲線座標系( その1 )における勾配 から 曲線座標系( その2 )における勾配への座標変換式になっています。 勾配( スカラー場の微分 )は、 その座標変換式の形から、 共変ベクトル表示であることがわかります。
では、 曲線座標系 ( その1 ) における勾配の 共変ベクトル表示 を 反変ベクトル表示 に変更してみましょう。 次の公式を使用します。

すると、 次のようになります。

(3) ベクトル場の微分
次の2つの曲線座標系があります。
曲線座標系( その1 ) :

曲線座標系( その2 ) :

2つの曲線座標系での基底の変換式 :


したがって、

したがって、 次の6つの式が成り立ちます。


曲線座標系は、 局所的斜交直線座標系が無数に集まって構成されています。 では、 すぐ隣同士の2つの局所的斜交直線座標系の関係はどうなっているのでしょうか? それを知るためには、 基底の要素たちを微分すればいいのです。
たとえば、


このようにして、 一般的には、 次のように表すことができます。

これは、 次のように1行で書くことができます。

さらに、




ここで、 次のように置きます。

は、 クリストッフェル記号 と言われます。 すると、 上の式は次のようになります。

この式は、
が
方向へ微小変化したときは、
方向に
、
方向に
、
方向に
の成分を持つベクトルになることを、 意味しています。
次のようなベクトル場があるとき、

が変化すると、
はそれぞれ変化します。



つまり、次のようになります。

この式の右辺の第1項は、 ベクトルの成分の変化によるベクトルの変化を表し、 第2項は、 基底の変化によるベクトルの変化を表しています。
この式は、 次のようにも表されます。

上式のカッコの中は、 ベクトル場
の反変ベクトル表示の共変微分と言われ、 次のように表わされます。

これは、ベクトル場
の反変ベクトル表示の
方向への共変微分の
方向の成分です。
ベクトル場
の反変ベクトル表示の
方向への微分は、 共変微分を用いると、 次のように表されます。

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