曲線座標系におけるベクトル場の微分
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2011.02.26

             目    次

     (1) 曲線座標系における微小変位ベクトル
     (2) スカラー場の微分
     (3) ベクトル場の微分
     (4) 曲線座標系における計量テンソルの成分表示
     (5) 計量テンソル と クリストッフェル記号



(1) 曲線座標系における微小変位ベクトル

 次のような3つの座標系があります。

直線座標系
             

曲線座標系 ( その1 )
             

曲線座標系 ( その2 )
             

における、 曲線座標系 ( その1 ) の局所的な自然基底 から、 曲線座標系 ( その2 ) の局所的な自然基底 への基底変換は、 次のように表されます。


から、 曲線座標系 ( その1 ) における、 ある曲線に沿っての微小変位ベクトルを とすると、 その微小変位ベクトルは、 曲線座標系 ( その2 ) では次のように表されることが知られています。

    

したがって、 微小変位ベクトルの座標変換式は、 次のようになります。

     

これを、 成分表示で表すと次のようになります。

    

これは、 次の反変ベクトル表示の座標変換式に似ています。

 

したがって、 微小変位ベクトル 反変ベクトル表示です。 したがって、 微小変位ベクトルの座標変換式は次のように表されます。

  または、

  

この式は、 最初に 「 知られています 」 といって提示した式たちと同じです。



(2) スカラー場の微分

次のようなスカラー場が存在しているとします。

スカラー場

スカラー場 の、 曲線座標系 ( その1 ) における勾配 :

スカラー場 の、 曲線座標系 ( その2 ) における勾配 :


さて、 ここで次の3つの式たちが成り立ちます。

したがって、 次の式が成り立ちます。

  

この式は、 次のように書くことができます。

   

また、 成分表示を用いると、 次のようにも表されます。

    

これらは、 スカラー場 の、 曲線座標系( その1 )における勾配 から 曲線座標系( その2 )における勾配への座標変換式になっています。 勾配( スカラー場の微分 )は、 その座標変換式の形から、 共変ベクトル表示であることがわかります。

  では、 曲線座標系 ( その1 ) における勾配の 共変ベクトル表示 を 反変ベクトル表示 に変更してみましょう。 次の公式を使用します。

すると、 次のようになります。



(3) ベクトル場の微分

 次の2つの曲線座標系があります。

曲線座標系( その1 )
           

曲線座標系( その2 )
           


2つの曲線座標系での基底の変換式 :

  

  

したがって、

  

したがって、 次の6つの式が成り立ちます。


曲線座標系は、 局所的斜交直線座標系が無数に集まって構成されています。 では、 すぐ隣同士の2つの局所的斜交直線座標系の関係はどうなっているのでしょうか? それを知るためには、 基底の要素たちを微分すればいいのです。

たとえば、

このようにして、 一般的には、 次のように表すことができます。

 

これは、 次のように1行で書くことができます。

 

さらに、

  

  

  

  

ここで、 次のように置きます。

は、 クリストッフェル記号 と言われます。 すると、 上の式は次のようになります。

    

  この式は、 方向へ微小変化したときは、 方向に 方向に 方向に の成分を持つベクトルになることを、 意味しています。


  したがって、 曲線座標系における一般的なベクトル場の微分は、 次のようになります。

   次のようなベクトル場があるとき、
      
       が変化すると、 はそれぞれ変化します。

    

    

  つまり、次のようになります。

この式の右辺の第1項は、 ベクトルの成分の変化によるベクトルの変化を表し、 第2項は、 基底の変化によるベクトルの変化を表しています。

この式は、 次のようにも表されます。

上式のカッコの中は、 ベクトル場 の反変ベクトル表示の共変微分と言われ、 次のように表わされます。

     

これは、ベクトル場 の反変ベクトル表示の 方向への共変微分 方向の成分です。

  ベクトル場 の反変ベクトル表示の 方向への微分は、 共変微分を用いると、 次のように表されます。



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