第4章  慣性 と 慣性力


(1)慣性とは何か (2)慣性力とは何か (3)相対的変速度力( 慣性力 )と 重力


第5章  重力場も相対的なものである。


  まず、 等速円運動の相対性について考えましょう。 等速円運動も変速度運動の1種です。
思い浮かべてください。 今、 B君 がA君の東側にいて、 向かい合っています。 次に、 B君は西を向いたままA君の周りを反時計回りに1回転します。 この現象は、 B君の立場からすると、 自分が静止していてA君が自分の周りを反時計回りに1回転したことになるのではないでしょうか。「 でも、 エネルギーを使ったのはB君のほうだし、 A君がB君の周りを回転したとは考えられない。」という人は、 A君 と B君 はお互いに2人の間に働く重力によって等速円運動していると思ってください。
  すると、 はっと気付きます。「 太陽は地球の影響を受けて回転運動をしているのです。 ただし、 地球の自転による見かけの太陽の周回のことを言っているのではありません。 地球が太陽の周りを1公転する間( 1年間 )に、 太陽は小さな円運動を1回行っているのです。 太陽と地球とでは質量が33万倍も違いますので、 地球と太陽との間での重力に限ってい言えば、 地球の重心が存在する空点の太陽による重力場は、 太陽の重心が存在する空点の地球による重力場の33万倍の大きさになっているのです。 加速度 = 重力場 ですから、 地球は、 太陽に比べて33万倍の大きさの加速度運動をしていることがわかります。 もし、 質量が等しい天体がお互いの重力により円軌道上を公転し合うのであれば、 それを客観的に観察している人からすると、 2つの天体の重心を結ぶ線分の中点を中心にして、 お互いが同じ円軌道をπの角度を保ったまま等速円運動することになります。


  次に、 落下運動について考えてみましょう。 2つの物質間の重力によるそれぞれの物質の落下運動は、 一般的には、 それぞれ相手の物質の位置を焦点の1つとする楕円運動です。 それに含まれる両極端が、 等速円運動 と 単振動 です。
  これから、2つの物質間の重力によるそれぞれの物質の単振動について考えてみましょう。 地球に穴を掘り、地球の重心を通って地球の裏側まで落下できるような環境を作ります。 その穴に飛び降りると、 単振動が始まります。 落下運動している人の立場からすると、「 自分は無重力状態で、 地球が自分を中心にして単振動している。」ということになります。
  ただし、 ここに1つ矛盾点があります。 落下運動している人はこう思うでしょう。
「 地球の変速度はあまりにも大きすぎる。 地球が運動しているのは、 自分が作っている重力場によるはずだ。 私が作る重力場は小さいので、 変速度 = 重力場 からすると、 こんなに大きな変速度が生じるわけはない。」
  実を言うと、 落下中の人にとっては、 自分の存在する空点に重力場は存在しませんが、 地球の重心が存在する空点には「 自分が地球の重心が存在する空点に作り出している重力場 」から「 地球が自分の存在する空点に作り出している重力場 」をベクトル的に引いた重力場が存在しているのです。
  つまり、 落下中観察者からすると、 全空間に、 自分が存在する空点の重力場と大きさが等しくて向きが逆の重力場が存在しており、 自分の存在する空点は、 その重力場と元来の重力場が相殺しあって 0 になっているのです。
  私は、「 無重力空間で変速度運動をしている観察者の座標系のすべての空点に存在する、 その変速度と大きさが等しくて向きが逆の一様な重力場 」のことを、「 相対的一様重力場 」と言っています。「 相対的一様重力場 」は実在の重力とベクトル合成することができ、 ベクトル合成された重力場が、 観察者の座標系の実際の重力場になります。


 追伸 :

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