(3) 斜交座標系における計量テンソルの意味
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参考図

共変基底表示 :

反変基底表示 :


したがって、

同様にして、


これらの
の式に
の 共変基底表示を代入すると、
つまり、 次の式を得ます。

したがって、

* ただし、
は 「 計量テンソル 」 です。

ここで、 (2) で述べた次の式たちを思い出してください。

したがって、 次の式たちを得ます。

この式は、
を表現行列とする座標変換テンソル
を用いて次のように表すことができます。
したがって、 計量テンソル
は、 同一のベクトルの表示方法を 「 あるベクトル空間での標準的表示 ( 共変基底表示 または 反変ベクトル表示 )」 から 「 相対する双対ベクトル空間での表示 ( 反変基底表示 または 共変ベクトル表示 )」 へと変換する、 座標変換テンソル
になっていることがわかります。 ( ただし、 計量テンソル = 座標変換テンソル ではありません。)計量テンソル
が 座標変換テンソル
になりうるということは、 計量テンソル
がわかれば、 共変基底に相対する双対基底 ( = 反変基底 ) がわかるということです。そこで、 例えば、 図-1 のような角度
で交わる斜交座標の反変基底を求めてみましょう。図-1

ですから、
これは、 双対テンソルの表現行列です。 したがって、 反変基底は、 次のようになります。

また、 ベクトルの大きさも、 計量テンソル
を使えばすぐにわかります。図-1 において、
の大きさを求めてみましょう。
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斜交座標系におけるベクトルの大きさは、 反変ベクトルと共変ベクトルの内積の正の平方根で表されます。





なぜ 、斜交座標系におけるベクトルの大きさは、 反変ベクトルと共変ベクトルとの内積の正の平方根で表されるのでしょうか? 一般に、 ベクトルの大きさの2乗は、 ベクトル自身の内積になります。 実際にそれを施行しますと、 途中で計量テンソル
が出てきます。 最終的に得られた値に、 先ほど出てきた次の式たちを代入すると、 それがわかります。
では、 やってみましょう。



この章の最後に、 双対テンソル
と 計量テンソル
についてまとめておきます。



= 反変基底が生成する双対ベクトル空間への基底変換テンソル :
= 反変基底が生成する双対ベクトル空間へのベクトルの座標変換テンソル :
= ベクトルの大きさの決定因子 = 空間の距離の決定因子 :
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